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第2回食育アドバイザー研修会レポート

2009年6月13日(土)福岡市博多区千代のパピヨン24にて第2回食育アドバイザー研修会が行われました。
この研修会は、大学生協の食堂関係の職員や新学期サポートセンターで「ミールカード」販売のアドバイザーとして従事する学生を中心とし、「食」「食べること」とは何かを理解して組合員の食生活を改善できる、アドバイザーを育成することを目的とした研修会で今回で2回目となります。→第1回目のレポートはこちら

1.開催の挨拶

会場の様子開催の挨拶教職員委員長 

始めに九州地域センター教職員委員長の板倉 隆夫先生より開催のご挨拶を頂いた後は1回目に引き続き、九州大学九州大学大学院 農学研究院農学資源経済学部門の助教博士である佐藤 剛史先生の基調講演です。フロア全69名を前にして行われた今回の講演は「大学で次世代を担う力を身につけるために」といったテーマでお話頂きました。

2.基調講演「大学で次世代を担う力を身につけるために」

基調講演グループワークグループワーク

先生愛用の「マイ箸」からワリバシの使い捨てを例に、数値や原産地などの状況を聞くだけではなく、相手に贈るプレゼントとして身近なところまで話を持ってくると人を行動させることができるといった「人を行動させること」は難しいという話から始まり、その後参加者に「私の弁当の思い出」を手元の用紙に記入してもらいグループ内で自己紹介かねての発表です。「親のありがたさを感じました」「家で母に食材は中国産を買ってないのよ えらいでしょと言われた」など参加者それぞれお弁当の中身やそれにまつわるエピソードなど交えながら発表していました。
また、子供の遠足のお弁当作りは大変だからみんなで業者に頼まないかといった「お見しり弁当」の話では、参加者に子供はなぜ業者の弁当より手作り弁当のほうがうらやましがるのか といった点で「家庭の味がないのは残念」「自分のためを思って工夫してくれたお弁当ということを子供は感じているのではないか」といった参加者それぞれの意見が出されていました。

九州事業連合調査による食生活アンケート結果弁当の日質疑応答時間

▲九州事業連合調査による食生活アンケート結果

次に九州事業連合調査の食生活アンケート結果や大学生の食生活内容、助産婦さんや過去に先生が頂いたお便り、小学校の「弁当の日」の取り組みなどをスライドでご紹介頂きました。

▼初めてスライドを見た感想

「母親に育ててもらっているありがたさを1番感じました。」(男子学生)
「泣いてしまった。赤ちゃんいいなと思った。簡単に直せると思わないけど、食生活を見直そうと決心した。」(1年 女子学生)
「思った以上に感動した。普段当たり前と思ってたことが当たり前じゃなかったんだと思った。自炊しないといけないなと感じたし小学生の弁当の日のとりくみを知って受け継がれているのがすごいと思った。」(九州工業大学 1年 女子学生)
「命の尊さ、食育の大切さを広げていきたい。朝食から変えていこうと思います。」(長崎大学 工学部2年男子学生)
「誰かのために作るとかすごく共感できるものがあった。自分の身体は自分のだけど自分だけの身体じゃないという言葉が印象に残りました。お弁当はできるだけ自分で作っていこうと思いました。」(1年 女子学生)
「7月に先生を招いて講演会を開き食を見直す機会として広めていければいいなと思っています。」(佐賀大学生協 木塚店長)
「自分の食生活や食に関する考え方から変えていかないといけないと思いました。」(宮崎大学生協 平井職員)
「学生時代は生協で安全な食事を摂ることができる。卒業後はその後の人生の方がはるかに長いので自分で食事を作れるようにしてもらいたい。生協もその助けをしていったらどうかという思いを強くしました。」 (大分大学 安岡 正義理事長)

そのほか東北大医学部の先生から頂いたメールの紹介や料理が好きになった学生のエピソード、そして絵本「命をいただく」という牛のみいちゃんと加工業者 坂本さんとの物語をご紹介頂きました。
最後の質疑応答時間では「食に関心のない大学生のどう食の大切さを伝えていったらいいのか」といった参加者の質問に「少しづつ関心のある子から広めていくしかないと思います。僕を講演に呼んでください」と佐藤先生にお答え頂きました。
講演を聞いて日々の食卓がいかに大事か、そしてあなたが大事ということをいかに日々の食卓を通して伝えるか 参加者もそれぞれに食育の大切さを痛感し、各大学の組合員たちに伝えようという決心しているようでした。

4.講義「学調からみる大学生の生活実態とこれからの取り組み」

講義の様子自己紹介講義 スライド

午後は事業連合職員 食生活グループの鎌田さんより2008年10月実施の「大学生の生活実態調査(学調)」からみる大学生の生活実態とこれからの取り組みについて講義がありました。 調査によると大学生活における重点項目は食に対する意識が低いという結果に。一人暮らしの学生が生活費を抑えるのに食費を節約すると答えた人も多く、 自宅外生の1日の食費は670円と参加者が予想していた金額よりも少ない結果となりました。そのほかも朝食の食事内容や使う金額、場所などによると朝食を摂る人は少なくないが食事の内容はバランス悪く、かたよりがあることが分かりました。

グループワークまとめ発表発表

その後は5人〜6人の班に分かれてグループワークにて「食」「食べること」「大学生協食堂職員として組合員にできること」を参加者全員で考えます。
「朝食の重要性をふまえて朝定食や小鉢を増やすなどメニューの選びやすさや配置など工夫してはどうだろうか」
「ミールカード、学生、アドバイザーへ呼びかけを行う 親を含めて食の大切さを伝えられるような場が必要だが経済的理由が先にくる」
「最終的にはきちんと自炊できる能力を大学生のうちに身につけておくことが大事。お金をかけたくないという学生の食に対する意識をどうかえていけばいいのか・・」
「マイ箸デザインコンテストや大学生のうちに自炊スキルを上げる為、レシピ集を用意して必要な栄養素をかくなど意識をもってアプローチしていきたい」
「呼びかけを徹底する。挨拶・コミュニケーションをとる。レイアウトやPOP、3群点数表も見やすく、食に対する講演会を開いてみんなにきてもらうものを開催したいと思います。」など各グループ午前中からの講演や講義をうけて、お金をかけたくないという学生の食に対する意識にどう食の大切さを伝えていくのかいろいろな意見が交わされた後、それぞれ組合員に対してできることを発表し、実践に向けて決意を新たにした第2回目となりました。


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