TOP > 就活知恵袋 Myキャリアデザイン 〜楽しい就活に向かって〜

Myキャリアデザイン
〜楽しい就活に向かって〜

第1回
筑紫女学園大学 学生支援センター学生課係長 井上奈美子

これからの時代は、会社に依存してしまうのではなく、自分のキャリアを自律的に形成していくというキャリアライフスタイルが主流になっていくとされています。それは、仕事を超えた広い視野でキャリアライフを捉えることが私らしい人生を描くことに繋がるという意識でもあります。あなたはどのようなデザインを描きたいと思いますか?

経済界でも、変化の激しい競争社会を乗り越えるために自律した志の人を求めるようになりました。それは、人的資源管理の側面からコンピテンシーという諸能力が注目されていることからも分かります。コンピテンシーとは、職種別に高い業績を上げている社員の行動特性を分析し、その行動特性を評価基準とし従業員を評価することで、従業員全体の質の向上を図ることを目的とするものです。従来の日本型の人材評価は、「協調性」「積極性」「規律性」「責任性」などから構成されていましたが、高い能力だけが成果を生む要因ではないという問題意識が生まれ、「親密性」「傾聴力」「ムードメーカー」「計数処理能力」「論理思考」などといった、具体的な行動を含めて評価することで、評価と会社への貢献度をリンクさせる手法です。そして、それは人材採用の場にも活用した「コンピテンシー採用」というものへ繋がっています。コンピテンシー採用では、「なぜ?」「具体的に」「意味は?」「成果は?」「反省は?」「改善策は?」という具合に次々と面接で詳細に尋ねられます。そのため、日頃からコンピテンシー諸能力を育むためにも、PDCAサイクルを実行することが有効です。PDCA(Plan, Do,Check,Action)を毎日回転させるために最適なツール(道具)は手帳です。手帳にPDCAを毎日書き込むことは、継続的な改善につながり、自分の経験から学ぶというプロセスを得ることができます。

書き込む材料は、既に大学生活に豊富に内在しています。しかし、あまりにもそれが日常化しすぎて学生の時は無意識のうちにやり過ごしているケースが多いのです。大学のゼミ、講義や演習、サークル、アルバイト、家事・家業の手伝い、学園祭や大学主催の年間行事、学生同士のあらゆる活動について、自分ができることからでも臨み、問題意識を持って活動することが、すばらしい学習のチャンスを与えてくれるのです。書き込む材料は、既に大学生活に豊富に内在しています。しかし、あまりにもそれが日常化しすぎて学生の時は無意識のうちにやり過ごしているケースが多いのです。大学のゼミ、講義や演習、サークル、アルバイト、家事・家業の手伝い、学園祭や大学主催の年間行事、学生同士のあらゆる活動について、自分ができることからでも臨み、問題意識を持って活動することが、すばらしい学習のチャンスを与えてくれるのです。

私達は24時間常に世界中で誰かが働いているという社会に生きています。この社会を創造した一つの要因は情報化社会です。情報に溢れている環境は便利ですが、気をつけないと情報の海におぼれます。現代社会では、求めていない情報も私達の元に次々と届けられます。問題意識を何も持たずに、意思決定を人任せにしていると危険です。社会という広い海には、多くの情報が流れているけれど、広すぎて流れ去っている可能性があります。大学では、発信されている情報を受け取ることは自己責任とされています。一人ひとりが「しっかり」するということを求められます。しかし、それは社会で生きる上でも同じことです。あらゆる行政支援は自ら申請しないと受けることができません。大学生活全般が社会へ移行するための予告練習期間だということです。

ところで、しっかり性を身につけるための自己成長機会の一つはゼミです。ゼミで日ごろ自分が思っている考えを述べたとします。それに対して他のゼミ生が同じようなことを考えていて、話が発展していき、他のゼミ生や先生と議論が活発化したとします。結果として、あなたには議論のスキルが身に付き自己成長をします。さらに大抵の人が議論で頭が冴えてきたり心の共鳴を味わったりすることになります。その夜あるいは翌日から無性にやる気になったりします。心の共鳴を経験しエネルギーを抱いた学生は、「こうしたらいいと思う」という自分の行動に対する意思を実行に移すエネルギーを持ちやすくなります。思いはあってもなかなか行動に繋がらないという人は、まずは様々な活動の場に参加して、心の共鳴を体感してみてください。

以上のような大学生活を送った学生は、労働市場へ移行する準備が整っていることになります。従って、延長線上には、就職活動を楽しむ時間が待っています。準備が整っているのですから、就職活動の過程において偶然の出会いを楽しむことができます。企業分析も自分なりの問題意識を持って切り込むことができます。面接官から「質問は無いですか」と聴かれても会話の糸口のチャンスと捉えることができるようになります。会話からは社員の本音を聞きだすことにも成功することでしょう。そして、会社案内パンフレットやホームページを熟読しても得ることができない情報をあなた自身で手に入れることができるのです。その時の会話や感想はすぐに手帳に書き、次の出会いに繋げていきましょう。

こうして考えると、実は目の前にある全ての事柄や物事があなたの人生をあなたらしく豊かにするために大変有効なものなのだということになります。手帳をはじめ、あらゆるツールを使って明日からの人生を楽しみましょう。


井上奈美子(イノウエ ナミコ)

筑紫女学園大学 学生支援センター学生課係長  福岡県久留米市出身。
ICT企業の社長室勤務を経て、筑紫女学園大学進路支援課係長として数々のキャリア開発プログラムを構築(13年間)。
九州地区就職指導研究協議会事務局長、5年間歴任。
現在、学生スタッフ育成プロジェクトチームの教育担当など幅広く学生組織活動のアドバイザーを担当。
のべ1000社を超える企業取材から労働市場の実態を把握し、 航空業界・地場金融機関はじめ幅広い業界へ新卒人材を送り出してきた実績を持つ。地元経営者や人事関係者の間では就職指導者に加え人材教育講師としても広く認知されている。
九州大学大学院ビジネススクール卒業。MBA取得。
現在、九州大学大学院経済学府博士課程にてキャリア開発について研究中。スチューデントコンサルタント・交流分析士資格保持。